【エッセイ】初めて石川県を訪れた時

2017年9月26日

最近、ちっとも石川県に行けていない。

『ファイティング☆ウィッチ』を出版した頃は、それこそ一ヶ月に二回も金沢へ行くほど足繁く通っていたというのに、もう半年以上訪ねていない。

寂しい限りである。

 

初めて石川県を訪れた時、ここまでハマるとは考えていなかった。

2001年3月15日。琵琶湖で二泊した後、金沢には、「あまりメジャーではない観光地」ということでふらりと寄った程度だった。

当時はまだ鼓門も出来ておらず、寂れた地方都市の駅舎、という趣きだった。ひねくれていた自分はそういう空気感がかえって心地良く、大いに気に入ったものである。

ただ、この時点では、のちに金沢へと通い詰めることとなるインドカレー屋「パルパティ」とは出会っておらず、夕食もいまはなき香林坊の109で食べるという体たらく(学生だったので贅沢なお店で食事するほどの余裕はなかった)。

当時の写真を見てみると、兼六園や、石川近代文学館、そして寺院巡りという王道コースの中に、なぜか内灘観光が入っている。たしか、海を見たい、という理由で行ったのだと思う。その時は地理がよくわかっていなかったので、能登半島まで行った気分になっていた。全然違う。

とにかく、最初に訪れた時には、ここまでハマる要素を見出すことはなく、数ある観光地のひとつでしかなかった。

それが三年後、まずインドカレー屋「パルパティ」と出会い、さらにそこの常連客から地元の喫茶店「メロメロポッチ」を紹介してもらい、さらに……と繰り返していくうちに、どんどん金沢から抜け出せなくなっていったのである。

そのあたりのことは、また次回にでも。

 

逢巳