【能登】神子原のくわいと蕎麦

2017年10月4日

羽咋市の山中にある神子原(みこはら)地区は、あのローマ法王に米を献上したということで知る人ぞ知る土地であるが、実のところ自分にとってはお米以上に衝撃的だったのは、ここで食べた「くわい」である。

くわいの主な産地は広島県であるが、実はこの神子原もまた、産地のひとつだったりする。

自分はくわいが大嫌いだったが、その一番の理由は、食感。ボソボソとした舌触りに、半端な苦味が、どうしても受けつけられなかった。そんな自分のくわい嫌いを払拭してくれたのが、ここ神子原のくわいだった。

 

道の駅「神子の里」の中にある蕎麦屋「そば処 里山」。二人だけで満席時は十数名分もの注文をさばくので、タイミングによってはかなり待つし、そばが無くなれば営業終了。だけどあまり目くじら立てず、ここはのんびり待つのが吉。

そんな「そば処 里山」で、神子原のくわいと出会った。メニュー名はそのまま「くわいそば」だったか。くわいが嫌いな自分がなぜそれを頼んだのか、よく憶えていない。何か予感があったのかもしれない。これは、確実に、美味いと。

神子原くわいをひと口かじった瞬間、思わず笑みが浮かんだ。東京で食べていたくわいとはまるで違う。サクッとした食感の後、粘りととろみが口の中に広がる。優しい甘みの奥に、微かに感じる苦味は、ほど良いアクセント。これが本物のくわいなのかと、目を覚まされる思いだった。

手打ちそばも喉越しがよく、ツルツルと食が進む。長い時間待っただけの価値ある、至福のひと時。

羽咋市街地からバスは一日に二便だけ、車は必須と、簡単に行ける場所ではない。それだけに、このくわいそばとの出会いは、かけがえのないものだった。

即売所にはローマ法王に献上した「神子原米」を始めとし、くわいも売っている。他、様々な山の幸が並んでおり、どれもこれも買いたくなってしまう。

普通の観光旅行で行くのは大変。でも、だからこそ、ぜひとも神子原には行ってほしい。まずはくわいと蕎麦をお試しあれ。

 

逢巳